小さな模型は暗く見えるスケールエフェクト(scale effect)とは何か?
端的に言えば、小さな模型は実物よりも色が暗く見える、ということ。
Nゲージの車輌に実物と同じ色を塗ってしまうと、かなり暗く見え、
場合によってはまるで違った印象になることもある。
指定の色を塗ったはずなのに、な~んか違う気がする……
という時は、スケールエフェクトによる現象が起きているのかもしれない。
簡単な実験でスケールエフェクトを体験できる。
折り紙の一部を小さく切って、残った大部分とを比べてみればよい。
切った部分が暗く感じられるはずだ。
これは、人が認識する色の大部分が光の反射によるものだから。
小さいものは反射する光の量が少ないために暗く見え、
大きなものは反射する光の量が多いために明るく見える。
また、単に暗くなるだけでなく、色の彩度が下がる点にも注意が必要。
この理屈で考えれば、同じ青20号を塗った模型を比べても、
O、HO、N、Zでは違う色に見えることになる。
色の研究が鉄道模型より進んでいる、スケールモデルの世界には、
実はスケールエフェクトのデータがある。
『Color Reference Charts - Scale Effect』
http://www.ipmsstockholm.org/colorcharts/stuff_eng_colorcharts_scaleeffect.htm
国際的な模型協会であるIPMS(International Plastic Modelers Society )の、
ストックホルム支部のHPに、まさしくスケールエフェクトの記事があり、
塗りたい色に対してどの程度白(または明灰色)を足すべきか書かれている。

▲IPMSストックホルム支部HP 外人のこだわり方は半端ないですね。
このデータによると、
Nに近いスケールの1/144だと、
白を23%足すとよいのだそう。
1m離れて見る模型=実物を150m離れて見るそして、忘れがちなのが、Nは1/150だということ。
単純に言えば、
1m離れて模型を見るのは、150m離れた実車を見ることと同じなのだ。
しかしながら、その間の空気の密度は模型も実車も同じ。
模型の色は、空気による色の減衰を考慮にいれる必要がある。
日本の風土では湿度の関係で、色が沈んでいく傾向にある。
紫がかったと古来から表現されているが、
個人的にはグレートーンのフィルターがかかっているように感じている。
上級モデラーのシーナリーにリアリティがあるのは、
全体のトーンのコントロールの巧みさにあるのではないかと思う。
先に書いたように、物の色というのは反射光によるもので、
それを脳が認識することによってはじめて、色として知覚する。
知覚であるから、当然個人差がある。
要するに、色に正解は無いのである。
微妙な差異を気にするよりは、全体のバランスを整えた方が
見た目の印象も、精神衛生上もよろしいのではないだろうか。
こまつ
テーマ : 鉄道模型 ジャンル : 趣味・実用